保物セミナー２００３大会に対するメッセージ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（財）電子科学研究所理事長福岡秀和 　保物セミナー２００３大会、おめでとうございます。私は非破壊検査を専門とするものです。私達の分野では放射線を用いた透過検査は重要な位置を占めております。日本の非破壊検査は放射線透過検査より始まったと言っても過言ではありません。ところが、不幸なことに、昭和４５年〜４６年頃に放射線源の紛失事故、放射線による被ばく事故等が続出し、世間を騒がすような結果になりました。そして、これらの事故を契機に放射線を使わないで検査できるものは放射線を使わないようにしようという考えに変わってまいりました。しかし、放射線は非破壊検査にとって有用な武器です。他の手段では置き換えることが出来ない長所も持っております。したがって、これを上手に使っていかなければなりません。 　放射線を防護し、放射線被ばくの安全基準等を決める保健物理（放射線管理）の役割は放射線を利用するものにとっては非常に重要な分野と考えております。これに関連する保物セミナーが毎年関西で開催され、（財）電子科学研究所が構成団体の一翼を担っていることについて非常に光栄に存じております。今後、この分野の研究が益々発展し、放射線利用が盛んになることを念願し、私のメッセージといたします。