2004年5月8日（土） 北海道新聞朝刊 1面
国内原発 作業員被ばく世界最悪 保安院他国分析、改善へ調査
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この記事の見出しを拾い読みした読者は、日本国内の原発労働者は劣悪な環境にあるとの印象を持つだろう。
個々の被ばく量は規制値をクリアしている場合でも、作業員総数の被ばく量で決まるのが「人シーベルト」という単位。
作業時間、従事者の数が増えればこの「人シーベルト」は増える。健康影響評価線量とは別物の単位である。
ちなみに医療放射線業界ではこの単位は馴染みがない。
それにしても”最悪”という表示は正しくない。「人シーベルト」の高低によって良否を基準とする現況が放射線防護学の考えのなかにもないからである。
しいて使うのなら”最高値”である。
最悪は主観性をもった判断の際に表す語彙である。最高値は客観的に表示・表現可能な語彙である。
意図的に最悪という言葉を選んだことが、北海道新聞の原発への姿勢が窺い知れる。 |
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