安全安心科学アカデミー勉強会・囲む会 平成 26 年 5 月 23 日(金) ： サンエイビル 3 階 講習室

演 題１：「ウラン鉱床の分布から見た地質環境の安定性」 演 者 ：笹尾 英嗣 氏 (東濃地科学センター地層科学研究部 結晶質岩地質環境研究グループグループリーダー) わが国の高レベル放射性廃棄物の地層処分概念では，「安定な地質環境に，性能に 余裕をもたせた人工バリアを含む多重バリアシステムを構築する」ものとされて いる。しかし，日本列島は地質学的な変動帯に位置しており，火山や断層活動が 活発な地域であるため，地質環境の安定性に対する懸念もある。そこで，わが国 のウラン鉱床の分布に基づいて，日本列島においても，安定な地質環境が存在す ることを例証する 演 題２：「深部地下構造の安定性」 演 者 ：西村 進 氏 (京都大学名誉教授・NPO ｼﾝｸﾀﾝｸ京都自然史研究所理事長) 概 要 ：最近、高レベル放射性廃棄物の地層処分が話題になっている。高レベル放射性・ 処分の主な深部は 300~1,000m の深さが考えられている。そこで今回の話題は「深 部地下構造の安定性」ついて考えてみる。 数百ｍ~千ｍの深度で、数万年～数十万年の年代安全に貯蔵する。この条件は、 今までの土木・建築の問題では取り扱われなかった分野であり、一方、地質の研 究の対象としては数十万年よりも古いものであって、地層処分として考えられて いる条件は一番弱い年代範囲の対象である。 我々はこの 20 数年ほど重点的にこの年代範囲の研究を続けてきているが、まだあいまいさを残している。今回は完全ではないが、現在考えていることを議論し たい。 <西村先生・笹尾先生を囲む会>